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Linuxマシンでシリアルポート(RS232C)を増設する方法 [Linux]

最近のマザーボードには、シリアルポート(RS232C)なんてレガシーなポートは
全く付いていないものも多いです。

しかし、アナログモデムを接続したり、GPSレシーバを接続したり、
ネットワーク機器などとコンソールで通信を行う場合など、
意外とシリアルポートの出番はまだまだ多いものです。

そこで、あたしが今までに行った、
Linuxでシリアルポートを増設する方法を記述しておきます。


A. LinuxでUSB-RS232C変換ケーブルを使う

最もお手軽な方法は、USB接続のシリアル変換ケーブルを使う方法でしょう。
ただし、相性や安定性に問題が多いので、
サーバ用途にはあまりオススメできません。

また、Linuxに対応していない(ドライバが無い)ものも多いです。

あたしが確認した、確実にLinuxに対応しているUSB-RS232C変換ケーブルは、
FTDI社のチップを使っているものです。

あたしは、以下で売られている「US232R-10」(またはUS232R-100)を
購入し、USBに接続するだけで認識されたのを確認しています。
その他のFTDIチップを使っている製品でも大丈夫だと思います。

コンパス・ラブ USB to RS232 シリアル変換
http://www.compass-lab.com/USB_Serial/US232Cable.htm

なお、デバイス名は /dev/ttyUSB0 になると思いますが、
念のために dmesg で確認してください。

ただし、複数の変換ケーブルを接続した場合、
デバイス名がどの順序で割り当てられるのか、分かりません。
(固定する方法はありそうな気がしますが、あたしは分かりません;)


B. Linuxでシリアルポート増設ボードを使う

PCIスロットに増設して使うものです。
USB接続のものよりは、こちらのほうが確実に安定していると思います。
複数のポートがあっても、デバイス名とポート名を対応付けることが可能です。

あたしが動作を確認したものは、以下の製品です。

AREA RS232Cシリアルポート (外部) x2ポート増設PCIボード  ロープロファイル対応 SD-PCI9835-2SL
AREA RS232Cシリアルポート (外部) x2ポート増設PCIボード
ロープロファイル対応 SD-PCI9835-2SL

メーカページ

ちなみに、似たような増設ボードはいくつかありますが、
この製品がいちばん安かったと記憶しています。

この増設ボード(SD-PCI9835-2SL)をLinuxで使用する方法を
以下に書いておきます。

1. 増設ボードをPCIスロットに挿入します。

2. Linux起動時にデバイスの設定をするか聞かれた場合は、
設定(Configure)を選択します。

3. ttyS4, ttyS5 デバイスをルート権限で作成します。
(既にttyS0~ttyS3まではデフォルトで用意されているので、
  重ならないように ttyS4, ttyS5 としておきます)

# mknod /dev/ttyS4 c 4 68
# mknod /dev/ttyS5 c 4 69
# chmod 660 /dev/ttyS4
# chmod 660 /dev/ttyS5
# chown root:uucp /dev/ttyS4
# chown root:uucp /dev/ttyS5


4. シリアル増設ボードのIRQ、ポート番号を lspci コマンドで確認します。

# lspci -v | less

NetMOS~ と表示されているデバイスが、この増設ボードです。

IRQ番号を確認し、メモします。
また、I/O ports at XXXX と複数行表示されますが、
上から2行分の XXXX の部分をメモしておきます。
1行目が ttyS4、2行目が ttyS5 のポート番号になります。

5. /etc/rc.d/rc.local に以下の2行を記述します。

setserial /dev/ttyS4 port 0xXXXX uart 16550A irq YY baud_base 115200
setserial /dev/ttyS5 port 0xXXXX uart 16550A irq YY baud_base 115200

XXXXの部分は、4.でメモしたそれぞれ1行目と2行目のポート番号を記述します。
irqのYYの部分は、4.でメモしたIRQ番号を記述します。

6. Linuxを再起動します。rebootコマンドでどうぞ。

7. 再起動後、ポートが有効になっているか確認します。
たとえば、ttyS4ならば

# setserial /dev/ttyS4 -a

で、設定したポート番号、IRQなどがズラズラと表示されれば大丈夫でしょう。

8. シリアルポートに通信したい機器をつないで、テストします。
なお、ttyS4, ttyS5がどちらのポートかは、実際に通信をして確認してみてください。
以降は、毎回同じポートとデバイス名の対応となります。

※拡張ボードを挿すPCIスロットの位置を変更した場合は、4. の設定からやり直してください

正常に通信が出来れば、成功です。
なお、シリアルポートと通信を行うには、minicom を使用します。

minicom に関しては、
Linuxでシリアルポートと通信を行う方法」の記事を参照してください。


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